生き残るには其れが必要だった。

 だから俺は一度もこれを手放した事がない。

 生き残るには其れが不可欠だった。

 だから俺はその技術を学んだ。

 人を殺す技術を。銃を手に持ち、鉛弾を撃ち、人を殺す技術を。

 其の技術が、今の俺を支えている。

 今の俺が生きて生活できているのはこの技術のおかげだ。この技術がなければ…手に何も職を持っていなければ、俺はこの世界で生き抜くことなど出来なかっただろう。

 俺に関わりを持った奴の多くが、俺のこの技術を嫌った。この技術を持つというだけで俺から離れようとするものもいたし、俺にこの技術を捨てさせようとする奴もいた。

 しかしながら…俺の手からこの技術が離れることはなかった。手放したと思ってもすぐに戻ってくる。多少鈍っても、勘はすぐに取り戻せてしまう。結局は…俺にはこれが向いている、という事なのだろう。

 別に、この技術を使うことが好き…という訳じゃない。この技術が、本来なら必要ないものだということぐらい俺だって分かっている。忌み嫌われている技術。其れでありながら、俺が生活できるという…つまり、望まれてもいる技術。

 この世界は矛盾だらけだ。誰かがそう言った。多分俺はその矛盾を体現しているんだろう。そう思うと…何故だか笑えた。いらないのに、いる存在。そんな矛盾である俺は、一体なんなのか…。そう思うと、笑えた。泣く事など…とうの昔に出来なくなっていた。

 俺にこの技術を与えた奴は最後にこう言った。「生きるということは、何かを犠牲にすることだ」と。俺はその言葉どおり、多くのものを犠牲にして生きてきた。人の命。友情。護りたいと思ったもの。その全てを犠牲にしながら生きてきた。

 嘲笑われても。蔑まれても。今の俺にはこれしかない。たった一人、護ろうと思ったあいつはもういない。あいつが信じたもの…俺の左頬の十字架を裏切る事になろうとも、俺はもうこれしか出来ない。

 だから俺はこの技術を用い、其れを使って生きつづける。これからも多くのものを犠牲にしながら。



 …最後の最後。俺は相手に…犠牲にするべき命にこう問うている。

「Where do you think I will go? Hell or Heaven?」

 「俺は何処に行くと思う?天国か、地獄か」と…。

 というわけで、絵を見て頭に描かれたとおりに小説を書いてみましたっ!
 最後の英文は…間違えているかもしれませんが御気になさらず。正しくはこうだ、というのがあれば是非雑記帳にご連絡を…。
 感想その他は雑記帳にお願いします…。

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